産経新聞社

ゆうゆうLife

自宅介護の末、亡くなった母

 奈良県香芝市 主婦 多田美砂 39

 7〜8日付「向き合って−永千絵さん」は、私の経験と重なり、深く共感しました。7年前、がんのため60歳で亡くなった母は、2カ月の自宅介護の末、息をひきとりました。

 3歳と1歳の子供をもつ私は、朝から夕方まで子供連れで実家へ行き、週に3、4日、仕事をしていた父と介護をし、仕事のある妹は夜、母について眠ってくれました。

 自宅でみとる決断をしたのは、一番には母の希望でした。母の希望に加え、私の子供が幼く、病院では思うように母についてやれないことなどを考えました。

 父ははじめ「自宅介護は無理だろう」と消極的でしたが、一番献身的に母に尽くしていたのは父でした。それぞれが役割以上のことを積み重ねた信頼感、感謝の気持ちが残り、家族のきずなは深まったと感じました。

 母には介護保険は適用されませんでしたが、父の時にはどうか、自分たちの時はどうかと不安です。今から準備が必要と考えています。

(2008/02/28)