産経新聞社

ゆうゆうLife

主治医の言葉に救われる思い

 神奈川県平塚市 主婦 63

 64歳の夫は、がんで闘病中ですが、主治医の先生の優しい言葉や誠実な対応で救われています。

 最初の病院の主治医は、パソコンの画面から目を離さずに告知をするような人で、やりきれなくて、病院を変えました。

 新たにかかった病院では、くわしい検査の末、転移している末期がんだとの告知を改めて受けました。

 悲しみのどん底ではありましたが、先生が丁寧に説明してくださったので、しっかりと現実を受け止めることができました。

 この先生は、毎回、1時間ほどかけてお話をしてくださいます。言葉遣いも優しく、非常に丁寧です。まだ、お若い先生ですが、誠実さに頭が下がる思いです。

 医療の手段として、手術や薬はもちろん必要です。しかし、患者やその家族にとっては、「言葉の治療」というものがあるのだなあ、と痛感します。

 夫はこの世に生を受けた者として、精いっぱい生きようと。それが娘たち家族に残してあげられる唯一のものだと、話しています。

 その望みを、先生の言葉の力によってかなえられそうな気がします。

(2008/03/20)