産経新聞社

ゆうゆうLife

必要な遺族のケア

 大阪府堺市 会社員 46

 遺族のケアが必要だとの記事をこの欄で読みました。私の父は今年1月に病気で亡くなりました。ふとしたことで思いだしては、母と涙を流します。

 亡くなるまでの数カ月間は、病院で看病しました。特に最後の1カ月は、家族の力でもたせたような気がしています。病院で食事を作り、お正月には、おせち料理などを持ち込んで一緒に過ごせました。

 亡くなる直前、私と母の顔を見て、ほほえみながら、口をかすかに動かし、「ありがとう」と静かに息を引き取りました。しかし、振り返ると、もっと、ああしてやればよかった、こうしてやればよかったと後悔も残ります。これから何年、こうした気持ちで過ごすのか分かりませんが、患者だけではなく、残された遺族のケアも必要なのだなあと改めて感じています。

(2008/05/05)