神奈川県藤沢市 主婦 43
「向き合って 井料瑠美さん」(5月22日付)を読みました。私も6年前にALSで母を亡くしました。
ALSは厳しい病気なだけに、患者本人だけでなく、家族と支えてくれる多くの人がいなければ立ち向かうことのできない病気です。
母は人工呼吸器を拒否しました。その選択に後悔はないか、主治医の先生に何度も相談しましたが、「家族に看取られ、おだやかに最期を」という母の希望を受け入れるのは家族として、あまりにつらかった。
でも、私たち家族は病室が自宅のリビングでもあるかのように話し、笑い、泣き、自由になる時間のすべてを母のそばで過ごしました。そのことで、家族にきずなが生まれ、母が多くの人に愛されていたこと、私の知らない母のさまざまな顔を知ることができました。
母も音楽が大好きで、私が鼻歌を歌うと、わずかに動くまぶたが笑っているようでした。
母を看病するにあたり、あらゆる書物を読みましたが、「モリー先生との火曜日」もそのひとつでした。ですから、井料さんの音楽朗読劇を、母と一緒に見たかった。どんなに励まされたことでしょう。
患者の痛みを知る井料さんが、ALSやほかの病気で苦しむ人のそばで、ステキな歌声を聞かせてくれたら、どんなに温かい気持ちになることかと思います。
(2008/06/04)