産経新聞社

ゆうゆうLife

「自立後」を考えたい

 東京都世田谷区 主婦 根岸幸恵 63

 6月18日付「介護予防 足りないサービス(下)」で、介護度が軽くなって自立と認定されることにアレルギーを持つ「自立アレルギー」が取り上げられていました。

 私の義母は82歳で、介護付き有料老人ホームに入っています。リウマチがあり、要介護2の認定を受けていますが、足がいくらか不自由なくらいで、元気そうに見えます。でも、「元気そうね」と言われるのが不満で、同情してほしいようです。「ヘルパーさんも他の人には手を貸してあげているのに私にはしてくれない」と言います。

 そんな時、私は「自分でできるということは、ぼけていない証拠だし、幸せと思わなくては」と、ハッパをかけます。ですが、年寄りというのはどうも、年寄り扱いされるのは嫌だけれど、常に人からかまってもらいたいという気持ちが強いように思います。

 ホームに入っているので、寂しいのかもしれません。以前、伯母の入っていたホームのヘルパーさんが言っていた「年寄りはすぐ甘えるから」という言葉が頭をよぎります。その時は冷たいヘルパーさんだと思っていましたが…。

 「自立したくない」というのも、寂しい生活に戻りたくないことへの表れと思います。要支援だ要介護だという環境で生活した後では、なおさら寂しく感じるでしょう。単に自立させようというだけでなく、自立後をどうするかをもっと考えなくては、と改めて思わされた記事でした。

(2008/07/30)