産経新聞社

ゆうゆうLife

不明の年金対応に疑念

 神奈川県相模原市 主婦 67

 5年前、国民年金の手続きに夫婦で行きました。年金は国民年金だけと思っていましたので、社会保険事務所で、夫が職人見習いをしていた数年分の厚生年金があると聞き、感激しました。

 心当たりの社名を問われ、夫は即座に「○○製作所」と答えました。「違いますね。同じ区だけど」と、職員は画面を見ながら言いました。「でも、そこしかないんだよな」と夫も首をかしげます。「なんか、ヒントないの」と、夫が聞くと、職員は「精密会社のようね。思いだしたら、また来てください」

 帰宅し、パソコンで該当しそうな会社を探しました。1件あったのですが、夫はそんな会社で働いた経験はないと言います。でも、もしかしたらと、メモして社会保険事務所に行きました。どきどきでした。順番が来て、前とは別の職員に「この会社ではないでしょうか」と問うと、「違いますね」。ガクンです。

 黙っていた夫がポツンと言いました。「○○製作所じゃないって言うしな」。すると、職員が「その○○ですよ」と、画面を見せてくれたのです。なんと○○製作所と書いてあるではありませんか。万歳したい気分でしたが、先の職員の話は何だったのかと思いました。

 帰りは取らぬタヌキでビールで乾杯しました。本当に微々たる、恥ずかしい金額ですが、さかのぼってもらうことができました。こういう経験をしている人が案外、多いのではないでしょうか。年金業務に携わる方は慎重にしていただきたいと、感じた次第です。

(2008/08/06)