産経新聞社

ゆうゆうLife

太く短く生きる生き方

 大阪市 パート 西岡博子 37

 8月27〜29日付「痛みを我慢しない」を読みました。母は多発性骨髄腫(こつずいしゅ)で他界しました。父が亡くなった直後で、大学病院の先生は治療を勧めてくれましたが、母は「治らないなら早くお父さんのところに行きたい。痛みさえ取ってくれれば」と治療を拒みました。説得し、抗がん剤治療をしましたが、副作用か精神不安定になり、「やはり抗がん剤はやめる」と言いました。

 張るタイプのモルヒネが効いたので、休み休みですが、亡くなる1カ月半前まで仕事を続けました。主治医の先生は、病状の進行に従い、カウンセリングのような診察時間を長く取ってくださり、母の希望を聞き、「延命治療は一切しない」という書類も用意してくださいました。

 一日でも長く生きてほしかったのですが、最期まで自分らしく、苦しむことなく逝けたのは、母にとっては良かったと思うようにしています。私も子供が仕事を持ち、自立して生きていけるようになったら、がんが見つかっても、痛みを無くし、太く短く生きるのもひとつの生き方かも、とも感じています。

(2008/09/29)