産経新聞社

ゆうゆうLife

自宅介護は大変だけど…

 千葉県成田市 主婦 大越かおる 47

 実父は82歳。間質性肺炎で3カ月ほど入院しました。一時は危険な状態でしたが病状も安定し、退院を促されました。

 しかし、退院時は酸素吸入器、胃ろう、おむつで、すっかり寝たきりとなり、要介護度5の状態でした。しかも、母は1カ月前に自転車で走行中、急発進した車にはねられ、片足を骨折。ギプスに松葉づえでした。

 父は家に帰りたがっていましたが、私も結婚して実家を離れており、とても自宅介護は無理と、転院先を探しました。しかし、近くの病院はあいていません。母のギプスも取れてからは、本人の望むようにしたいと、自宅介護に踏み切りました。

 介護は想像以上に大変でした。両親と同居の弟が栄養剤や薬の注入をし、私は車で20分ほどかけて実家に通い、父のリハビリ介助や見守りを担当、母を休ませました。デイサービスも利用し、何とか退院から半年たった現在まで乗り切ってきました。

 父は今では歩行も可能になり、トイレで用が足せるようになりました。酸素吸入器を外している時間も多くなり、1日1回は車いすに座り、アイスやゼリーを食べるのを楽しみにしています。

 帰るとき、「お父さん、そろそろ帰るね」と声をかけると、必ず「ありがとう」と言ってくれ、2人で握手をして別れます。

 自宅介護は大変だけれど、親孝行できて本当によかったと思っています。

(2008/11/19)