産経新聞社

ゆうゆうLife

心強かった特養での看取り

 千葉県浦安市 主婦 一色敏子 65

 先月31日、94歳の母を千葉県浦安市の特別養護老人ホームで看取りました。23日夜に呼び出しがあり、その夜から、私と兄弟が代わる代わる泊まり込みました。24日からは危篤になり、水も口にできなくなりました。

 亡くなるまでの8日間、同じ体位だと痛がる母に、職員が1、2時間おきに体位を変えに来てくれました。呼吸が楽になるように、湿気の出る管を口元に固定、少しでも良いようにと考えてくださいましたし、足の鬱血防止にいろいろな形のクッションを挟んでいただきました。そしてその都度、母の手を握り、耳元で声かけをしてくれました。

 そのほかにも、職員の方は仕事の時間が終わると、母の所に来てくださり、お別れを言ってくださいました。今までお世話になった職員さんだけでなく、転勤でほかの施設に行かれた職員さんまで。とても温かく心強く、疲れた私たちを癒やしてくれたように思います。

 思えば9年8カ月、老人福祉施設と在宅を行ったり来たりの介護でした。その中で、特養には6年近くお世話になりました。車椅子の母は気難しくて怒りっぽく、私たち子供には厳しい人でしたが、職員の方は「私たちに優しい言葉をかけてくださいますよ」と言って、気遣ってくださいました。そして、母の笑顔がとても好きとも言ってくださいました。

 迎えた31日。いよいよ、脈も落ちてきました。そして、午後2時45分に息が止まりましたが、心音と脈が午後7時までありました。その間、看護師さんが何度も見てくださり、7時に医師が臨終に立ち会ってくださいました。今は皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。

(2008/11/27)