産経新聞社

ゆうゆうLife

希望聞き入れてくれた特養

 神奈川県鎌倉市 主婦 河合ヒサ子 66

 今年7月、91歳の母は、千葉県船橋市にある特養ホームのベッドで息を引き取りました。昨年4月に新設されたこの施設に入所して1年3カ月。後で聞いたのですが、その施設で亡くなったのは、母が最初だったそうです。

 亡くなる前の2カ月間、家族の看取(みと)りの希望や母に対するスタッフのかかわりについて、数回にわたり話し合いが持たれ、私たちの望みを丁寧に聞いてもらえました。最期はその通りになったことに感謝しています。

 そして看取(みと)りの後、遺体を運び出す際には、ともに過ごした入所者の方たちが、廊下に車いすをずらっと並べ、ストレッチャーに乗って運ばれる母の亡きがらを、泣きながら見送ってくださいました。その光景は今も忘れることができません。

(2008/12/09)