産経新聞社

ゆうゆうLife

老老介護に支援の手は

 医療事務 匿名希望 48

 12月4、5日付の俳優、長門裕之さんの記事に励まされました。私自身、73歳の義母、96歳の曾祖母と同居しています。2人とも歩行はできますが、曾祖母は車いすで、週2、3回の入浴介助が必要です。おむつの買い出し、室内清掃、換気、お布団干しを、仕事をしながらこなすのはきついです。さらに、パーキンソン病と認知症の母を弟と交代で介護することになり、開き直って暮らしていますが、私も48歳なので、老後を考えると憂鬱(ゆううつ)になります。

 介護に悩むのは私だけではありません。先日、知り合いの70代男性がやはり70代の奥さまを殺害し、自殺を図りました。とても仲のよいご夫婦で、奥さまの骨折をきっかけに、ご主人が介護をしていました。ですが、介護による腰痛、不眠などでご主人は疲労が限界に達しており、介護保険の手続きや、介護のアドバイスをしましたが、吐血して倒れるなど、人生を悲観していました。事件後、自宅に救急隊と警察が駆けつけたときには、悲惨な状態だったそうです。奥さまは命を失い、ご主人は逮捕されました。

 その時に感じたのは、こうした事件が発生する前に、行政や警察などが実態を把握できないのかということでした。もっと老後を安心して暮らせる世の中になってほしいです。「老老介護」などで悩んでいる方々を支援することができないものかと、日々考え悩む毎日です。

(2008/12/18)