産経新聞社

ゆうゆうLife

がん受け止め不安を乗り切る

 静岡市 主婦 匿名希望 59

 夫のがんが再発した。大酒飲みの夫は生活改善を求められていたが、それを無視し、退院の翌日から居酒屋にこもる生活に戻ってしまったのだから致し方ない。

 手術後、順調に回復している夫。今では「ちょい悪おやじ」全開で、若い看護師さん相手にご機嫌だ。しかし、退院後を考えると頭が痛む。夫は最初の手術後、心が不安定になり、振り回された苦い経験があるからだ。

 宣告され、手術まで段階はあるが、なんとか受け止め、それに向かって前向きになれるが、問題は退院後だ。管理された入院生活から、すべて自己責任の生活にほうり出される。目標を達成し、肉体は回復し、自由を得ても、底知れない不安にさいなまれる。

 それを夫は酒に頼り、逃避したが、逃げ切れるものではなく、受け入れるまで2カ月かかった。

 「この病気はいい方に考えなければやっていけませんから」と、同室の再発5回目という男性に励まされた。去年、学習した私たち。今回は戸惑うことなく、乗り切りたい。

 もうすぐ退院できそうと喜んでいる夫。今回メールを覚え、私とやりとりしている。面と向かうと、かわいくない夫もメールだとういういしく、若いころの恋愛時代を思いだす。

 ずっと、入院してもらいたいとも思うが、2人で頑張りましょうね。 

(2009/01/14)