産経新聞社

ゆうゆうLife

母の介護で資格取得

介護に専念して4年目。「自分の人生のことは、介護が終わった後に考えたい」と話す鈴木宏康さん(左)と母=川崎市


 広島県福山市 主婦 58

 数年前、別居の母のために、家事サービスを受けていました。60分の間、食事、洗濯、掃除、服用薬のチェック、デイサービスへの準備などを忙しくやってもらっていました。

 あとは私が頑張っていましたが、母は強い意志を持ち、他人のことを考える昔人間でしたので、ヘルパーさんや施設の方に「私よりも介護度が重いとか、独居などでサービスを必要とする人に、先にサービスを提供してください」などと申し、周りは大変でした。

 で、もっと合理的にと考え、私がヘルパーの資格を取ることにしました。研修などでヘルパーには厳しい規則があることを知りました。また、ヘルパーが家政婦と同じ仕事をやってくれると思っているご家族が多いことも知りました。

 母の介護としゅうとめの看護を同時にすることになったときは、死ぬような思いでした。何度も何度も倒れ、感情はなくなり、すべてを笑い飛ばしていたようで、今ではほとんど記憶がありません。

 介護とは辛抱、忍耐、利他的な愛、優しさ、自己犠牲を伴うものだと思います。親は見放されていない、尊敬されていると感じる必要があると思いました。

(2009/03/09)