産経新聞社

ゆうゆうLife

友達よりも息子!!

 大阪府泉南市 無職 淡路屋孝代 84

 3月23日付生活面、久田恵さんのコラム「子供よりも友だち!!」を見て、私も友達と「助け合って家族のように暮らそうね」と話していたときのことを思い出しました。当時は「ひなたぼっこができる小さな家で、お花畑もあって、高齢者向きの借家で暮らしたいね」などと夢みていましたが、老いるということが、どういうことなのか、分かっていなかった気がします。

 今はつくづく、同じ高齢者同士が助け合うことは、なかなかできるものではないと感じます。足から弱り、つえを頼りに生活しており、先立つ友を見送ったり、入院した友を見舞ったりすることもなかなかできません。同年代の友と電話で話すときも「ちょっと一服するわ」と、とぎれとぎれです。

 かといって、50代の長男の重荷にはなりたくないので、できる限り、自分のことは自分でやるつもりです。今は幸い、1人暮らしを手助けしてくれる商店もあるので、自力でなんとかなっています。それでも、介護保険を利用するときは、長男の意見を聞いてみるつもり。少し寂しいけれど“老いては子に従え”。

 それぞれが自分で築いた人生だから、自分は自分、他人は他人でよいと思います。久田さんは友達を大事にされるといのことでしたが、私の場合は友達より、息子に頼るのかな。

(2009/04/03)