産経新聞社

ゆうゆうLife

病気になっても、気持ち次第で

 千葉県旭市 椎名嘉靖 78

 8年前、脳梗塞(こうそく)をわずらい、約20日間入院しました。5日間ほどは意識不明で、その後、右半身が不自由になりました。退院後には特別養護老人ホームにも15日間ほどお世話になりました。それからリハビリのために通院しながら、自分で開発した補助具を使うなどして歩いたり、車の運転をしたりすることができるようになりました。

 なんとか歩けるようになったころ、友人の奥さんがパーキンソン病で歩行が困難だと知りました。そこで、私が作ったつえをプレゼントして、2年間ほど雨の日以外は一日も欠かさず、自分のリハビリも兼ねて奥さんと一緒に歩く訓練をしました。

 私の都合が悪い日は、妻が代行しました。奥さんは今では排泄(はいせつ)や入浴が1人でできるようになり、手押し車を使って、1キロメートルほど歩けるようになりました。右半身が不自由な私でも「介護ができるんだ」とうれしくなりました。

 昨年の暮れには、こうしたボランティア活動が評価され、社会福祉協議会から感謝状をもらいました。友人の奥さんも受賞を喜んでくれました。病気になっても、気持ちや心がけ次第では、頑張れることを悟りました。

 「お迎えが 来るまで負けず 頑張ろう 老いてますます 悔いを残さず」

(2009/04/27)