産経新聞社

ゆうゆうLife

デイに“出勤”する父

 大阪府四條畷市 パート 44

 私は仕事と家事をしながら、認知症の同居の父親を介護しています。父は82歳です。週2回のデイサービスと月2回、1泊2日の短期入所、昼の食事どきはヘルパーさんに来てもらっています。父は初め、デイを嫌がっていましたが、今は仕事に行っているつもりのようで、「明日、出勤か?」なんて言っています。自分も社会の一員だという気持ちが、父の生きる励みになればと、話を合わせています。

 介護歴は浅いですが、いろんな経験をし、「介護は難しい」のひと言です。上手に介護している人の話を聞いても、家庭環境が違ったり、性格も違うので、同じようにできません。

 介護した人でないと、分からない思いや苦労がたくさんあり、介護経験のない人とは話が通じず、自分だけ別の世界にいるような気持ちに陥ってしまいます。答えは出なくても、同じ経験をした人に話を聞いてもらうだけでも、少し楽になると思います。

 介護のためだけに生きるのではなく、経済的に少しでも余裕があれば、施設を利用して、自分自身の時間を持つのも大切だと思います。

(2009/05/15)