産経新聞社

ゆうゆうLife

人間は社会福祉をする動物

 岩手県奥州市 酒小売業 菊池京子 85

 私は85歳の年寄りです。老夫も85歳。岩手の山村で酒類の小売店をしています。10年前までは店番をしながら、仕事、日曜日も田畑で働きました。供出米も出しました。体の弱いしゅうとめ、小姑に仕え、子供3人は大学を出て自立しました。よくがんばったと私自身をほめたいくらいです。

 主人は若いころに役場に勤めたことがあり、今は国民年金のほかにも年金があり、助かっています。私は月5万円の年金ですが、病気も外出も買い物もしないので貯金ができます。

 昨年は結婚60年で、子供たちに形見分けをし、娘たちには温泉でダイヤ婚を祝ってもらい、至福のときを過ごしました。日赤岩手支部にも祝い金を寄付し、感謝状などをいただきました。身近な人には地震見舞い、病気見舞いを欠かさず、感謝されています。人間がほかの動物と違うのは、社会福祉をすることだと聞いています。ボケ防止に句を作ったりしています。

 「ひらすらに生きし日々なり 悔いなし 心やさしき 夫と子の居て」。私の辞世の句です。

(2009/05/29)