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(18)わくわくするデイホーム

 在宅介護の雑誌を眺めていたら、「こんなデイサービスが欲しかった!」という記事があった。

 思えば、在宅で介護をしていたころ、私も、母にリハビリのためにデイサービスを利用してもらいたかった。

 でも、彼女は行かなかった。お歌を歌いましょう、とか、みんなでゲームをいたしましょう、とか、子供扱いされるのが嫌だったらしい。

 それが、記事を読むと、最近はいろんなタイプのデイホームが登場しているらしいのだ。

 たとえば、送迎の車がおしゃれな乗用車で、デイサービス」とか「介護」とか書いていない。なるほど、考えたわねえ、と感心する。

 しかも、その車で到着したホームは、斬新なデザインのカフェスタイル。スタッフはホテルマンみたいな制服で、利用者には敬語で対応。メニューには50種ものドリンクが並び、エスプレッソもあるそうな。

 わーい。うれしい。

 しかも、この「カフェデイ」、利用者は、それぞれにコーヒーを飲みながら、読書、パソコン、カラオケ、碁、将棋…。自由に好きなことをして過ごせる。

 また、「食事」に徹底してこだわったデイホームもあるとか。

 そこでは、1時間半もかけて、スタッフとお話ししながら料理をフルコースで楽しめる。それがあまりにおいしいので、日ごろは流動食の人もどんどん食べられるようになっちゃうらしい。

 確かに、人生の晩年こそ、おいしいものを味わって、生きる喜びを感じたい。「レストランデイ」は素敵なアイデアだ。

 こんなふうにデイホームとはこういうもの、という既成観念を捨て、自由に発想すれば、いろんな種類のホームがつくれそう。

 私がやるなら、目下、趣味で楽しんでいる小さな人形劇場付きのデイホーム、「パペット(人形)デイ」かな。さらに、ジャズを歌う「ジャズデイ」とか、ガーデニングを楽しむ「ガーデニングデイ」、香りを楽しむ「アロマデイ」なんていうのもどうかしら。

 今日は「カフェデイ」、明日は「アロマデイ」と、毎日、行く場所を変えたりして…。

 介護雑誌を眺めながら、未来の介護時代へと心はワープする。

 アイデアに満ちた介護サービスが、多様に、いきいきと展開する社会になれば、介護を受ける世代になっても面白く生きられそう。

 なんだか、わくわくするわ、などと言うのはあまりにノウテンキかしら。

(ノンフィクション作家 久田恵)

(2007/05/11)

 

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