危機に囲まれる中、中高年が自分の身をどう守り、社会に何ができるかを考えることを目的にした、3回連続シリーズ「“危機管理”能力を高める」セミナーの最終回が3月27日に開催された。
最終回は「国際水準から見た日本の危機管理」をテーマに、危機管理総合研究所の小川和久所長が話をした。
「日本の危機管理のレベルは世界に通用する水準に達しているとはいえない」と結論から話し出した。国際水準になるには、まず「科学的なとらえ方」が必要だという。たとえば、日本での危機の議論は、「木を見て森を見ず」が多く、その典型が中国・北朝鮮脅威論だと指摘。脅威でなくするには、もっと冷静に科学的にとらえることが大切という。
また、「重要インフラ防護という点でも日本は発展途上段階」という。今の社会を支える重要インフラ、電気やエネルギー、金融などは相互に依存している。
「重要インフラの一角が破壊されれば、国はまひ状態」になる。防護するには、それぞれの業界でセキュリティーのレベルを高めなくてはいけない。一つのインフラ業界が弱いと、テロ攻撃などでそこから侵入されることになるからだ。
次に情報の共有が大切だという。現在日本でISAC(情報共有・分析センター)があるのは通信の業界だけ。「問題意識さえ希薄な業界がある」と嘆く。
今後の世界の趨勢(すうせい)は、ネットワーク・セキュリティーを通じた危機管理体制の構築だという。これは国家レベルでも必要だが、企業においても取り組む必要があると語った。
(2007/04/05)