新現役ネットの活動の一つに、武士道の聖典とされる「葉隠」の精読会がある。現代日本が失ってしまったもの、そして今の日本に最も必要とされるものを毎回、テーマとして取り上げ、葉隠の200におよぶ名言・名句の中から、えり抜きの金言を紹介・解説する趣向だ。
葉隠は江戸元禄期の佐賀鍋島藩、山本常朝の物語。藩士の田代陣基が7年もの歳月をかけて聞き書き、編纂(へんさん)した。もっとも有名なくだりが、聞書一にある「武士道というは、死ぬことと見つけたり」。日本文化の精髄、日本精神の原型がここにあるとされている。
講師役を務めるのは古典翻訳家の水野聡さん。全1300話の葉隠を、年齢を問わずより多くの人に読んでほしいと、現代語による全文完訳本を出版しており、当時の風俗、しきたり、人間関係など、分かりやすく解説してくれる。
1月から毎月第4木曜日の夜、1時間半にわたって行われる精読会の参加者は毎回平均、10人程度。男性が6割、女性が4割で、60〜70代が中心だ。
精読会では参加者がひとりずつ、段落ごとに音読をする。いわゆる「候文」を、声に出して読むことで、背筋がぴんと伸び、気持ちもすっきりするとの声も。
今回が2回目の参加という伊東孝司さんは「新現役世代は日本文化に改めて目覚める世代だと思う。葉隠の精読は地味だけれども、日本人のルーツや伝統の重みが分かる。本当に価値のあるものをきちんと継続して学ぶことが大切だと感じた」と話している。
最近は熟読にとどまらず、葉隠に関連する日本文化の逸話などを紹介するコーナーを設け、当時の武士の教養とされた仕舞、能などをビデオで鑑賞している。
(2007/10/04)