産経新聞社

ゆうゆうLife

インド暮らし、赤裸々に語る

 今回は今月6日にあった定期セミナー「新現役カレッジ」から。カレッジのタイトルは「主婦からみた、これがインドだ」。夫の転勤に伴い、インドのニューデリーで5年半を過ごした商社マンの妻、小林信子さんが著書「インドでマダム」(文芸春秋)を下敷きに、その日常を赤裸々に語った。人気ドラマにあやかれば、「マダムはみた」といったところか。

 コックに運転手、庭師、門番−。インドに降り立ったその日から大勢の使用人を差配しなければならなくなった小林さん。マダムと呼ばれ、優雅な生活を夢見たのもつかの間、次々にカルチャーショックに襲われた。最初の戸惑いは、時間に対する感覚の違い。どんなに「急いで!」と頼んでも、使用人の走る姿を見ることは結局、一度もなかったという。分刻みで行動し、約束の時間を守る日本人とは大違い。

 これはトラブルが発生したときでも同じ。あわてふためく小林さんをよそに、周りからは「ノープロブレム(心配ない)」という反応が返ってくるばかり。次第に、インドのように暑いところでは熱くならない(イライラしない)ことが肝心と悟ったという。

 「あわてない」「あせらない」「あきらめない」「あてにしない」。何事にも“おおらかな”インド人と上手に付き合うコツは4つの“あ”と小林さん。

 インドの強烈な個性を目の当たりにして、驚くことばかりの小林さんだったが、その奧深い世界に魅了され、すっかりインドびいきになったという。旅行だけでは知り得ない真のインドの姿を伝えたいと、件の本をまとめた。ご主人からは「インド人以上のインド人」という意味を込めて、「モアザンインド人」と呼ばれているそうだ。

(2008/02/20)