産経新聞社

ゆうゆうLife

野鳥の鳴き声にうっとり

 関西地区のボランティアスタッフの手による「自然に親しむ会」が先月末、奈良県の葛城山であり、一行は野鳥観察を楽しんだ。

 標高959メートルの葛城山は屯鶴峰(どんづるぼう)から槇尾山を結ぶ総延長45キロの自然歩道の一角にあり、シャクナゲ、ショウジョウバカマなどの群生地としても知られる。

 当日は天候も味方し、参加者は深緑のもと、自然研究路をゆったりと散策。この時分、多くの夏鳥は子育て期。時折、木々の合間から美声が聞こえてくるものの、姿は一向に拝めない。

 葛城山で見られるのは、日本三鳴鳥のオオルリをはじめ、カッコウ、キビタキなど、30種は下らない。この日は、誰もが「ダメか」とあきらめかけていたとき、全長14センチほどの、クリッとした目が印象的なサメビタキと遭遇。春の渡りを目の当たりにし、この日の案内役で、日本野鳥の会奈良支部の今仲嶺雄さんも大感激の様子だった。

 バードウオッチングというより、“バードヒアリング”となった格好の野鳥会だったが、秋口にはリベンジを兼ねて、再び探鳥会を実施する予定だ。

(2008/06/12)