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少年たちとお風呂屋さん

 ある日、友人宅から帰ってきた長男が「みんなでお風呂屋さんに行く約束をした!」と言う。誰が思いついたのか、少年5、6人で行くという。

 それは、さぞ他のお客さんに迷惑だろう。「湯船で泳がないのよ」「風呂場を出る前に、しぼったタオルで体をふくのよ」と注意したが、分かったのかどうか…。「お風呂代と、風呂上がりに飲むジュース代をちょうだい」と要求して、意気揚揚と出かけていった。

 身の縮む思いだったが、そんな機会でもなければ、都会の核家族の子供は高齢者と触れ合うこともない。

 頑固なおじいちゃんや口うるさいおばあちゃんに、「行儀が悪い!」などと叱咤(しった)していただいたら、ありがたい。親や先生とは違う目線でほめられることもあるかもしれない。

 私自身、「風呂なし、トイレ、台所つき6畳」に住んでいた大学時代、2日に1度はお風呂屋さんに通った。見知らぬ人と隣り合わせのカランで世間話をするのは悪くない。

 そのお風呂屋さんの団体から講演依頼が来て、医療制度改革の話をした。法改正で自治体などの保険者が平成20年度から予防重視の健康診断を義務づけられる。それを機に、何ができるか模索しているのだ。

 お風呂屋さんは数が減り、客層も高齢化している。これからの二大看板は健康増進と住民交流だという。「異世代交流もぜひ」とお願いした。

 子供の世界は家庭を除けば、ほぼ学校の人間関係しかない。学校が世界のすべてだから、そこでうまくいかなければ、煮詰まってしまう。

 しかし、地域やスポーツクラブなど、別のフィールドで、異なる人間関係が築ければ、学校は世界の一部に過ぎなくなる。

 「週末は息子とお風呂屋さん」にしようか。そう考えるこのごろなのだ。

(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2006/12/08)

 
 
 
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