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矯正美人と「歯の銀行」

 とにかく、痛いことがイヤだ。何度か抜歯を勧められた2本の親知らずは温存してきたし、八重歯も2本ある。健康のため歯列矯正を考えたときは、「びっくりするくらい、美人になりますよ」と言われて、その気になったが、3本も抜くと聞いて尻込みして以来、手つかずだ。

 ある日、1本の親知らずがシクシクとした。東京の大学病院で歯科医をする友人に「同僚でいい歯医者さんを紹介して」と言ったら、逆に「どんな歯科医が好き?」と聞かれた。

 そう言われても、歯科医にどんな分類があるのか分からない。半分冗談で「抜かない歯医者さんが好き」と答えたら、彼女が「私も同じだわ」と言ったので、この素人な分類も、あながち的はずれでないらしいと知った。

 受診したら、彼女を含む歯科医3人がシクシクした親知らずを抜くことで一致したのでガックリした。

 しかし、もう1本の親知らずは、矯正の専門医が「抜かずにおいたら、20年後、奥歯がダメになったときに移植できるかもしれませんよ」と言ってくれて、生き残った。

 歯が移植できることを、このとき初めて知った。「うまくいかないこともあるけれど、抜かずにおけば、治療の選択肢は増えますからね」と言われ、20年先を見据えて方針を決める姿勢に感激した。

 あれから5年。今では矯正で抜いた歯や親知らずを、自分の将来のために冷凍保存する「歯の銀行(ティースバンク)」もある。広島大学のベンチャー企業で、すでに1200本を冷凍保存し、30本超を移植したという。

 今や、矯正で「びっくりするほど美しく」なって、しかも、同時に加齢に備えて、“歯の貯蓄”にも励めるわけだ。すごい時代になったと思いつつ、やっぱり3本も抜くのは、考えただけで、おじけづいてしまう。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/01/19)

 
 
 
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