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離婚時の年金分割の行方

 雑誌記者の友人が、こうぼやいていた。「離婚を特集した号って売れるのよねえ。みんな、そんなに離婚したいのかなあ」

 4月から始まる「離婚時の年金分割」が盛り上がっている。職場でも、およそ年金に関心がないような男性が突如として、「リコンジノ、ネンキンブンカツ」などと言い出す。日頃、妻をほったらかしにしている自覚と罪悪感があるのかもしれない。

 そういえば、社会保険庁で職員が一般男性の問い合わせに四苦八苦しているのも見た。「ですから、分割されるのは厚生年金で、お宅さまの国民年金が半額になるわけではありませんし、勝手に取られることもありません」。

 女性は、編集部に寄せられる手紙などを読むと、もっと強くたくましい。「離婚したら損ですから、年を取ったら、私だけ有料老人ホームに入りたい」とか、「20年以上、家庭内別居。それぞれ自由を謳歌(おうか)し、仕事第一だった夫が亡くなった後は遺族年金で悠々自適です」など…。

 遺族年金は夫の厚生年金の4分の3。しかも非課税だから、税や介護保険料、国民健康保険料の負担も軽い。

 一方、年金分割は相手の同意が必要で、同意を得ても、分割対象は結婚期間だけ。分割幅は最大2分の1だから、厚生年金が10万円、40年加入の男性に30年連れ添っても、分割額は4万円に満たない。それに加え、妻は自身の基礎年金が受け取れるが、任意加入だった時代に加入歴がなかったりすると、頼りない年金額になってしまう。

 それでも、熟年離婚する女性に冷たかった年金は多少改善された。「離婚は我慢し、暴力に耐えます」などの話を聞くと、それは耐えなくていいのでは…と思うし、「分割待ち」でここ数年、減っている離婚も止められまい。しかし、男性陣が心配するほど、離婚が増える感じもしないのだ。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/03/30)

 

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