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迷子の年金

 やっぱり若く見られたい。息子に「お母さんは23歳から年を取らないのよ」などと言っていた時期もある。

 同僚記者は先日、年かさの取材相手から「記事に載せるなら、体力年齢にしてください。その方が10歳以上若いから」と言われたという。

 女性の求人に「35歳まで」などと、年齢制限がつきものだったころは、年齢をサバ読んで就職する人も多かった。こちらは切実だ。年がばれるから、過去の年金手帳など、あっても出さない。

 結果、新しい年金番号が付いて、古い年金番号が「迷子」になってしまうことがある。年金を受ける際に職歴を示せれば見つけられるが、そのころには、はるか昔の記憶になっている。迷子を見つけられないと、せっかく納めた保険料も“なかったこと”になり、年金額が減る。年金を受け取れない危険性だってある。年金は原則、25年加入しないと受け取れないからだ。

 年金がない70代女性に取材したことがある。夫が寝たきりになって困り果て、ひょっとして夫に年金が出ないかと社会保険事務所に出向き、加入期間が3年足りなかったと知った。「窓口の人も一緒に、じだんだ踏んで悔しがってくれましたが、どうにもなりませんでした。納付した時期もあるのに、つらいときに助けてもらえないなんて…」と落胆していた。

 期間が1カ月足りなくて、1円も受け取れないケースだってある。25年要件は、年金改正のたびに、現場をもつ社会保険庁から厚生労働省に緩和要望が出される。窓口で「年金は出せません」と言う側もいたたまれないのだろう。

 迷子の記録は5000万件もあるという。オンラインが整う昭和60年以前の転職、「結婚で勤めをやめた」などは要注意。加入記録は、現役のうちに社会保険事務所で確かめておいた方がいいかもしれない。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/04/13)

 

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