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メニューのない介護保険

 介護サービスを頼むときにメニューがないのは、レストランでメニューがない感じではないのだろうか。

 学生時代、さびれた「名曲喫茶」に入った。テーブルにつくと、「名曲」にはめっぽう強いが、「喫茶」には無関心な店主が出てきて、「今日は暑いからアイスコーヒーね」と、一方的にオーダーを決めた。

 「コーヒー、苦手なんです」と慌てたら、「じゃあ、紅茶ね。レモンティー」と、注文は決まったのだった。

 学生街のレトロな喫茶店だから、それで済むが、普通はメニューのない店で「お任せ」なんかにするのはコワイ。法外な値段を取られかねないではないか。

 介護保険にメニューがないのは、本来、ケアマネジャーが利用者の意をくみ、最適なプランを作ってくれるから。しかし、各地で介護報酬の返還が相次ぐのを見ると、故意にせよ、ミスにせよ、過剰や不正な請求も珍しくなさそう。

 しかし、手元に値段入りメニューがあれば、チェックもできるのでは。そもそも、値段もサービスも分からなければ、“お任せ”にならざるを得ない。

 ある自治体職員は、いいケアマネジャーの条件について、こう話していた。「1割負担が重荷なケースで、値段の高い入浴サービスを、ヘルパー2人が訪問介護で入浴させるプランに代えられるか、家事援助を配食に代えられるかなど、代替案をどれだけ示せるかが腕の見せ所。でも、そんなケアマネは多くない」

 ケアマネに相談するのは必須だが、市区町村には独自サービスもあるから、お任せは限界がある。「入浴○円」「配食○円」と分かれば、利用者も代替案を考えて、サービスを組めるかも。求めるものにずっと近いサービスが得られる気がするのだが。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/06/29)

 

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