得ダネ情報 住まい 転職 為替
powered by goo

文字の大きさ:

 
 
 

 

icon

得ダネ情報

 
 
ゆうゆうLife
 

やっぱり特養に入れない?

 一昔前は、有料老人ホームに住むなんて、夢みたいな話だった。けれど、最近は、高額だった入居金も、0円からある。年金が頼りの元サラリーマンでも、手の届く価格が人気を呼んでいる。

 お手ごろ感から言えば、もちろん、特別養護老人ホーム。だが、待機者が多く、なかなか入れないのも有料人気の理由だ。

 「常に満員」の特養は、いったい、どういう優先順位で入所を決めているのだろう。

 介護保険の導入前は、所得がある人は入りにくかった。しかも、施設側は介護の必要性の高い人を入れても、低い人を入れても、同じ収入だったから、「手のかかる人は敬遠される」とさえ言われた。結果、介護が必要なのに、一定所得のある人は老人病院に入院した。「社会的入院」である。これでは、何のための施設か分からない。

 当時、旧厚生省のある役人はこういった。「特養は介護施設なのに、所得の多寡や政治家の知り合いがいるとか、市役所の窓口で声が大きいとかで入所が決まるのはおかしい。介護保険で要介護度を設定して、介護度の重い人が優先的に入れるようにしたい」。

 私はもろ手を挙げて賛成した。

 しかし、介護保険は導入されたのに、今もしばしば「介護度が重く、特養で入所を断られた」という話を聞く。「入所者は、ほとんどが住民税非課税の人」という施設関係者もいる。

 入所の優先順位は本当に、所得の多寡や声の大きさから、要介護度に移ったのだろうか。

 しかも、今は一定の収入があると、特養に食費や居住費がかかる。厚生労働省のモデル年金約200万円の単身者で月に10万円程度。「だったら、有料ホームにしようか」などの声を聞くと、食住費は、有料ホームへの誘導策だったかと勘ぐりたくなる。

 元サラリーマンは、介護保険のもとでも、やっぱり特養には入れないのだろうか。

(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/07/27)

 

論説

 

 
 
Copyright © 2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.