スーツに、クリーニングしたてのシャツで取材していたときもあったのに、今や内勤が多いせいか、すっかりお構いなし。夏は特に、洗濯できることを優先するから、シャツとパンツはヨレヨレで、揚げ句は隣席から「髪、梳（と）いた？」などと聞かれる始末。

　社内では、ヨレヨレは編集局に目立ちがち。泊まりが増えると、悪化の傾向で、泊まり部屋に住みついたような人も。「住民票は会社にあるらしい」とささやかれたりする。

　ところが、裸足にスリッパ、よれたワイシャツとズボンで泊まり勤務をしていたある上司は、営業局に転出したとたん、隆としたスーツ姿に。格好良くて目を見張った。業務と仕事相手が変わると、人間こうも変わるものかと驚いた。

　そういえば、先日、エレベーターホールで会った、別の元上司はスカイブルーのシャツに、生成りの麻ジャケットという涼しげなスタイル。こんなにオシャレな人だっけ？　社会部時代はネズミ色だった気がするが…。

　「オシャレですね」と言ったら、「うーん、ネット業界は若い人が多くて、背広にネクタイなんてやぼな格好はしないんだよ」。やればできる。「クールビズ」に売り込みたいと思った。

　クールビズを知ってはいても、実践するのは５割という。職種や肩書にもよるだろうが、１０割になると、どうなるか−。

　知人は「沖縄に行ったら、みんなかりゆし姿で、誰が誰だか分からなかった」という。警察官もかりゆし、公務員もかりゆし。航空会社の職員もかりゆしなので、観光客なんだか、職員なんだか分からない。「みんな、ただのおじさんに見えた」という。

　みんな、見た目で判断しているのだ。今朝もやっぱりヨレヨレの私は「やっぱり、中身よ」と、ひとりごちるのだった。（ゆうゆうＬｉｆｅ編集長　佐藤好美）

(2007/08/10)