得ダネ情報 住まい 転職 為替
powered by goo

文字の大きさ:

 
 
 

 

icon

得ダネ情報

 
 
ゆうゆうLife
 

社長のカツ丼

 社長にカツ丼をごちそうになると、ロクなことにならないという話だ。なんでも、青天の霹靂(へきれき)みたいな仕事が降りかかったり、不意打ちの異動を示されたりするらしい。

 というウワサを社長に向けたら、「じゃあごちそうしよう」となった。シマッタ。火の手の予感に震え上がったら、「いつもより安いカツだ」という。話の内容は値段によるんだろうか?

 日本橋の裏通り、社長と同僚の3人で食べたのは650円のロースカツ定食。食券をカウンターに出し、空席を待つ人の列に追いたてられるように、熱々サクサクの分厚いカツを10分ほどで食べた。60代とは思えぬパワー。私はもてあまし気味だった。

 場を変えて、食後の話題はたばこ。社内から煙を一掃したいというから、口を極めて称賛したら、「君が社内禁煙の先頭に立てよ」という。えーっ。それでなくても社内では“運動家”と見られがち。身に覚えのないレッテルに辟易(へきえき)しているのに、社長は「労組に協力を求めたらどうか」とか、「ビル会社に掛け合うのも一法かな」などという。

 何でも、最近、わが社の喫煙室を学者に見せたところ、「排気口のない喫煙室を、完全空調のビルに置くのは、ビル中に副流煙をまき散らすようなもの」と警告されたのだという。

 しかし、新聞社なんて、昔は紫煙で向こうがかすむくらい。わが社の喫煙率は全国平均より高い。愛煙家の反対にかかわらず、禁煙を進めたい社長の頭には、働き盛りの役員や社員が相次いでがんに倒れたことがあるようだ。

 結局、禁煙運動の開始をためらううちに、半数の喫煙室撤去が決まった。任務終了かと喜んだが、社長は排気口のある喫煙室が残るのが不満な様子。新聞社としては全面禁煙にしたいようなのだった。やっぱり運動突入か。社長のカツ丼は高くつくのである。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/09/07)

 

論説

 

 
 
Copyright © 2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.