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1300億円は誰の財布から?

 さしずめ、フリーマーケットで商品を500円で売ったら、後で必要だったと分かり、1300円で買い戻す、みたいな感じだろうか。

 舛添要一厚生労働相が26日、高齢者医療費の窓口負担引き上げ凍結に、1300億円が必要とした。凍結はもともと、福田康夫首相の自民党総裁選での公約。70代前半の中・低所得者は来年4月、医療費の窓口負担が2割に上がる。それを、「やっぱり1割に据え置こう」というのだ。法改正までして決めたのに…。

 節約できるはずだった国費は500億円。それが据え置きで再び必要になる。どこから工面するのかと眺めていたら、違う案が出てきた。

 凍結には再び法改正が必要だった。が、法改正せず、補正予算で対応するという。そうなると、市町村や組合健保などが払っている保険者負担分も含めて、全部、国庫で埋めることになる。それが1300億円だ。

 法改正しないのは、保険者に再び負担を求めても、理解も協力も得られそうにないからだろうか。「凍結は時限措置」とのアピールなのかもしれない。

 補正予算の財源は何だろう。今年度の歳入は予定より大幅に多いのだろうか?

 そもそも、高齢者に負担増を求めたのは、医療費が膨張し、現役世代の保険料負担が過重だから。しかも、景気低迷の影響で、若手は支え手として脆弱(ぜいじゃく)化している。

 年金で暮らす高齢者にとって、窓口負担が上がるのは大変だ。けれど、負担を分け合ってもらって、将来世代も困らない制度にしようというのが、制度改正の趣旨だったはず。いわば、世代間負担の不均衡の是正。

 それなのに、まさか補正予算の財源に国債など使ったりはしないと思うが…。掲げた理念に逆行しない財源調達を祈るばかりなのである。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/09/28)

 

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