産経新聞社

ゆうゆうLife

クールビズは会議場限り?

 東南アジアのオフィスやホテルでは、夏も冬も冷房がキンキンにかかるものらしい。

 「私が経験した中で一番寒かった冬は、タイの会議室だ」。知人がアメリカの名言をもじって、こう言った。名言で「一番寒い冬」とされたのは、寒流の影響を受けるサンフランシスコの夏。知人の「一番寒い冬」は、タイでの冷房の効かせすぎ。「外は炎天下、中は冷蔵庫だった」そうで、現地日本人スタッフからは「会議室用に」と、使い捨てカイロの差し入れがあったという。

 インドネシア・バリで国連の気候変動枠組み条約の締約国会議(COP13)が始まった。

 バリはこの時期、気温26〜30度で高湿度。やはり、冷房のきついお国柄と聞く。条約事務局は参加者にノーネクタイ、ノージャケットを推奨。各国代表団に「快適な環境で議論し、エアコン利用による温室効果ガス排出を減らしたい」と理解を求めた。

 確かに。温暖化防止の会議が、冷房の効きすぎた冷蔵庫のようなところで行われたら、とても二酸化炭素が減る感じがしない。

 しかし、市中のオフィスやホテルはやっぱり、寒いままなんだろうか。それって会議場内限定クールビズ?

 とはいえ、自身を振り返っても、習慣化した室温の変化はつらいもの。

 わが編集部はこの秋、窓際に引っ越した。「外が見える! なんて人間らしい生活」と、喜んだのもつかの間。はめ殺しの窓に差す直射日光で、午後はシャツ1枚でもぼーっとするほど暑い。翌日には日よけを下ろし、以来、上げていない。

 「暑いです」。音を上げたら、ある上司が「うーん、それはね、アキハバラで大きな扇風機を買ってくるといいよ。空気をかき混ぜるようなタイプの」。完全空調の部屋に扇風機。何かが違う気がするが、この時期の日本で冷房をつけるよりいいだろうか。(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)

(2007/12/07)