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メタボリックシンドローム 対策に乗り出す企業

 ■毎日計測で減量を継続

 動脈硬化のリスクが高い状態である「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)は病気の一歩手前。食生活の見直しや運動不足の解消で予防できます。働き盛りの男性に多いため、大勢の社員を抱える企業が対策に乗り出しています。ニーズに応じて民間の医療機関でも、生活習慣の改善をサポートする所が出てきました。

 年間1万6000人が健康診断を受ける「日立製作所 日立健康管理センタ」(茨城県日立市)。ここでは腹部の断面を撮影したCT画像をプリントし、受診者に渡す。

 内臓脂肪が赤くくっきりと表示されるので、いや応なしにリスクを自覚させられる。そのため受診者から「赤腹」と呼ばれ、恐れられているそうだ。

 内臓脂肪が220平方センチもあった42歳の男性は、自分の赤腹画像をトイレに張り、生活習慣を改善する意欲を高めることにしたという。

 消費カロリーの大きい水泳を1回1時間ずつ週2回続けることで10キロの減量に成功。内臓脂肪が104平方センチに減り、空腹時血糖も薬を飲まずに改善した。

 「赤腹」を表示するのは、グループ会社と共同開発した内臓脂肪面積の自動計測ソフト。平成15年から撮影に使っている。

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 こうした実績をもとに、日立健康管理センタでは今年4月、腹部をスマートにする減量プログラム「はらすまダイエット」を研究事業としてスタート。健康診断でメタボリックシンドロームと判明した30〜40歳代男性のうち53人が参加した。

 中川徹・放射線診断科主任医長は「メタボリックシンドロームの概念が一般に広まったため、内臓脂肪を減量する意味が理解されやすい」と話す。

 目標は90日間で診断時の体重の5%減。1日あたりだと50〜100グラムで、350〜700キロカロリーに相当する。基本的な取り組みは(1)毎日、体重を記録する(2)摂取カロリーを制限する(3)消費カロリーを増やす−の3つ。実行可能な食事や運動のプランを立て、10日ごとに経過を報告する。

 終了後に49人が検査を受け、そのうち32人もがメタボリックシンドロームを解除できた。プランを継続できた理由として「体重の増減や変化が目に見えて分かり、グラフに成果が表れた」などを挙げている。

 「折れ線グラフを眺めると、太る食べ物とやせる食べ物が見つかり、運動するとやせるのが分かります。うまくいかなかった日は、言い訳も記録を」と中川主任医長。

 企業が生活習慣病の予防に取り組む背景には、健康保険組合の医療費を抑制するねらいがある。平成20年度から健康保険組合などに、40歳以上の加入者と扶養家族を対象にした健康診断や保健指導が義務付けられたこともあり、関心は高い。

 こうした動きを受けて、民間の医療機関でもメタボリックシンドローム対策を実施する所もでてきた。

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 多くの企業が健康診断に利用する「同友会春日クリニック」(東京都文京区)では、早くから内臓脂肪型肥満に着目し、腹部CTによる測定も組み込んだ「ダイエットサポートプラン」を個人向けに実施している。これをベースとし、集団対象の企業向けコースを開発し、今年10月にスタートする。

 プランの目標は「3カ月間で体重約5キロを減らし、よい生活習慣を身につけること」。医師、看護師、管理栄養士、運動指導士らで構成するチームが食事や運動などの指導と支援を行う。

 ポイントは目標を自分で設定し、体重のほか食事と運動の状況を記録したダイエットダイアリーを月1回、電子メールでクリニックに送付する点。クリニック側はメールやホームページを通じて、参加者がやる気を維持できるよう支援する。

 現在のプランでは、参加者30人のうち修了者は21人と、70%にのぼった。修了者の平均体重は4・3キロ減。ウェスト周囲径や内臓脂肪面積も減り、中性脂肪や尿酸値の数値改善も見られ、医療関係者の注目を集めている。

 このプランで参加者はパソコンを使うが、「はらすま」でもパソコンで体重を記録した人が多かったそう。自分で数値や行動の目標を立て、定期的に報告する方法は、サラリーマンには仕事と似ているためか、実践しやすいようだ。

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【プレゼント】

 メタボリックシンドローム撲滅委員会(委員長 松澤佑次・日本肥満学会理事長)が作成した「健康セルフチェックディスク」(非売品)を読者20人にプレゼント。

 ディスクを動かして、食事別摂取エネルギーと、その消費に必要な運動量がチェックできる。裏面に食生活や運動不足度のチェック表付き。

 はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、〒100−8078 産経新聞東京本社「ゆうゆうLife」プレゼント係へ。9月25日必着。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

(2006/08/25)

 
 
 
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