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生活習慣の改善・食事編(上)減らしやすい所から

CT(コンピューター断層撮影法)で内臓脂肪測定を受けるGさん


内臓脂肪がついて丸くなったGさんの腹部断面。三角で示した部分が内臓脂肪


スパゲティ


ホットケーキのティラミス添え


ピーナツクッキー



 「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)は生活習慣病の一歩、手前。この段階で生活習慣を改善すれば、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)などのリスクを下げることができます。食事を管理する方法を、社員2人の食事記録をもとに、神奈川県立保健福祉大学の鈴木志保子准教授に聞きました。2回に分けて紹介します。

 本紙写真報道局のGさん(44)は、定期健診では問題を指摘されておらず、今はまだ健康だ。しかし、ウエスト周囲径は107センチ。CTで内臓脂肪面積を測ったところ、263・6平方センチメートルで、メタボリックシンドロームの診断基準100平方センチメートルの2・6倍もあると分かった。

 食生活を見直すため、7月13〜18日の食事を記録してみると、栄養の偏りが目についた。

 昼食はスパゲティやコンビニ弁当。ホットケーキのティラミス添え1枚とピーナツクッキー2枚の組み合わせの日もあった。夕食は、ギョーザや焼き肉など肉料理が中心。深夜に甘いものを食べることも多い。

 18日は、昼食にウナギ(ご飯大盛り)を食べた後で板チョコレートと団子、どら焼きを買ってきた。同僚の証言では、土産物のチョコレート2粒もつまんだという。食事の合間、無意識に甘いものを口に入れる習慣は問題だ。

 Gさんの食事の写真を見た鈴木準教授は「野菜や海草類がほとんど見られない」と指摘。「健診結果をもとに、保健指導を受けるべきです。悪くなるときは、血圧などの数値が一気に悪くなる。まず、自分の状況を把握し、今後、起こりうる事態を理解することが必要です」という。

 放置すると、心筋梗塞や脳梗塞を起こし、後遺症に苦しむ恐れがある。あるいは、糖尿病による腎症で人工透析が必要になる可能性もあり、その場合の年間医療費は約600万円にのぼる。

 治療が必要な段階になってしまうと、食事に制限が多くなる。しかし、今なら、食べたいものも食べながら、カロリー摂取を控えるなどで、改善が可能だ。

 「今だから、減らす価値がある。Gさんのように食事に対する意識の低い人は、バランスを考えるのは二の次。まずエネルギーを減らせる部分を見つける」と助言する。例えばパスタにかけた山盛りの粉チーズを減らすだけでもずいぶん違う。

 1日100キロカロリーを減らすと、70日で体脂肪1キロ分に相当する。少しずつ体重が減っていくことが実感できれば、食事コントロールが快感に変わるはずだ。

 「保健指導の効果を上げるには、(問題のあるメニューを)あれはダメ、これはダメと否定するのではなく、頻度と量を変える方法にすべきです」と鈴木准教授は話す。

 次回は、中年太りが気になり始めた30代男性の例から、頻度と量を変える具体的な食事管理の仕方を考える。

                   ◇

 ■7月13日のGさんの食事

午前10時 朝食(自宅)

 食パン1枚、マーガリン、卵焼きとソーセージ2本、メロン2切れ、一口まんじゅう2個、ブラックコーヒー

午後4時 昼食(レストラン)

 スパゲティ・ナポリタン、酢漬けキャベツ少々

午後9時 夕食(居酒屋)

 ビール中ジョッキ2杯、日本酒1合、ゴーヤーチャンプルー、肉じゃが、卵かけご飯1杯、おにぎり2個

深夜0時 夜食(自宅)

 ティラミス1人前

(2007/08/01)

 

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