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メタボリックシンドローム

7月15日の朝食はボリュームたっぷりで、ご飯が多め


7月12日の昼食。野菜や海藻も取り入れてバランスを気遣っている様子だが、ご飯が多め


7月14日の昼食はラーメン。めん類やカレーなど、あまり噛まずに食べられるメニューを選びがち


7月16日の夕食。糖質ゼロの発泡酒を選んだものの、やはりご飯は多め



 ■生活習慣の改善・食事編(下)献立より頻度と量から

 ウエストが男性で85センチ以上だと、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が気になります。自分なりに食事に気を配っているのに…と思っても、おなかがぽっこり出てきたら、食生活を見直す必要がありそうです。前回に引き続き、神奈川県立保健福祉大学の鈴木志保子准教授に、食事のコントロールの方法を聞きました。

 産経新聞社員のFさん(34)は、30歳を過ぎて、おなかが出始めた。

 夜も外食が多いFさんだが、自宅ではプチトマトやブロッコリー、モヤシなど、野菜を積極的に取り、栄養バランスや量にも注意を払っている様子。しかし、「ウエストは確実に基準値をオーバーしています」と話す。

 鈴木准教授は「油の摂取が控えめで、意識してコントロールしているものの、朝食だけで約600キロカロリー。3食同じならいいのですが、昼や夜はボリュームアップしています」と指摘する。

 Fさんの場合、メニューにラーメンやカレーが多いのも気になる点だ。「めん類やルーを使うメニューは、あまり噛(か)まずに食べられるので、早食いを誘発します。本人が思っている以上に食べている可能性があります」とみる。

 体脂肪1キロは約7000キロカロリー。1日100キロカロリー食べ過ぎたら、70日で体重が1キロ増える計算だ。日々の積み重ねで太った分を、今度は毎日少しずつ減らす必要がある。

                  ◇

 「ご飯の盛り方が気になります。運動量などにもよりますが、ラーメンにセットでついてくるご飯や、定食の大盛りご飯を残さずに食べていると、問題があるかもしれません」

 Fさんが外食時に食べた大盛りのご飯は約300キロカロリー。これを3分の2に減らすことができれば、1日100キロカロリー減る。70日間、積み重ねれば体脂肪1キロの減量につながる。「1日に減らす量について知識を得ると、自分でコントロールでき、体重の増加をストップできます」と鈴木准教授。

 重要なのは、自己チェック。毎日、朝食前に体重を量れば、少し増えたとき、その日のうちに減らす動機につながる。

 リスクが出始めた人に、生活習慣改善の動機付けをするのが、来年度からスタートする特定健診・保健指導だ。メタボリックシンドロームに着目したやり方で、リスクが高い人には医師、保健師、管理栄養士らが積極的に介入する。

 その保健指導のあり方について、鈴木准教授は「例えば揚げ物が好きな人に揚げ物はダメと否定する方法ではなく、揚げ物を食べる頻度と量を変えられるように指導すべきです」と、提言する。

 例えば、揚げ物なら、1週間21食のうち、何度食べているかチェック。カツレツや天ぷら、さつま揚げのほか、弁当のシューマイなども、揚げ物の場合があるので要チェックだ。肉100グラムを揚げると、素揚げなら90キロカロリー増。衣を付けると180キロカロリー増で、ご飯一ぜん分に相当する。こうした知識をもとに、21食中15食で食べていたら10食に減らし、焼き魚などに変えていく。

 病気の手前なら、好物を食べるのをやめずに済む。厳格な制限が必要になる前に食生活を見直した方が、楽しく減量できそうだ。

(2007/08/02)

 

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