産経新聞社

ゆうゆうLife

有料老人ホームに入れるか?



 【相談】

 夫を亡くして2年。今後の1人暮らしが不安です。築40年の自宅は、1人暮らしには広すぎ、リフォームにもお金がかかりそうです。自宅を売って有料老人ホームへの住み替えを検討していますが、今の貯蓄で有料老人ホームに入ることは可能ですか。

 【回答】

 ご自宅の売却価格がいくらになるか分かりませんが、橋本さんの財政状態なら、有料老人ホームへの入所は可能だと思われます。ただ、「1人暮らしが不安だから」という理由なら、いきなり有料老人ホームへの住み替えを選ばなくてもよいのではないでしょうか。たとえば、ひとまず高齢者専用住宅という高齢者向けの賃貸住宅に住む方法もあります。

 高齢者専用住宅なら、同世代の人と暮らせますし、入所時の費用が数10万円と、初期コストが少なくて済む点も魅力的。食事などは自分で準備するので、施設入所に比べて、マイペースで生活できます。高齢者専用住宅には、緊急通報システムが付いているところもあるので、探す条件にしてもいいかもしれません。

 有料老人ホームでは、入居者の平均年齢は80代で、ほとんどが要介護者という施設も少なくありません。お元気で、身の回りのことも十分にできる橋本さんには、少し入所が早いのではと気がかりです。

 広い一軒家で、長年暮らしてきた橋本さんが、いきなり狭い部屋へ住み替えると、気分的にめいることもあるのでは。高齢者専用住宅などの共同住宅にしばらく住めば、「居住スペースの狭さ」にも慣れるはずです。

 また、賃貸住宅暮らしを挟むことで、「広い家での1人暮らし」の不安を解消しつつ、納得の行くまで有料老人ホームを選ぶ時間的余裕が生まれます。逆に、家の売却と同時に有料老人ホームへの住み替えを行うのは、施設チェックが甘くなる心配があります。

 橋本さんの場合、現在お持ちの貯蓄に加え、家を売却したお金も手元に残せるので、身体の状態変化に応じた住み替えを考えた方が、そのときどきの生活を楽しめるのではないでしょうか。

 住み替えで家賃が発生すると、月々の家計は赤字になりますが、それが10万円以内に収まれば、貯蓄が底を突く心配もないでしょう。

 橋本さんのように、資金的余裕があり、多くの選択肢が持てる場合は、「自宅から有料老人ホームへ」と、ひとつのパターンにしばられず、複数の住み替え案を検討することをおすすめします。

(2008/03/03)