産経新聞社

ゆうゆうLife

退職してもローン返済が優先? 



 【相談】 母子家庭です。長男は2年後、大学進学予定。学費もかかりますし、4年前に借りた住宅ローンの返済が2400万円ほど残っているのも不安です。5年後に勤続20年超で、退職金が1000万円くらい出るので、それを機に退職し、退職金でローン返済をしようかと悩んでいます。専門職なので、再就職は可能だと思います。将来的に退職金への課税が強化されそうなのも心配です。

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 【回答】 結論から申し上げると、住宅ローンの返済が主な目的なら、退職は避けた方がよいと思います。人間関係など、辞めたい理由がほかにある場合は仕方がないかもしれませんが…。

 というのは、住宅ローン残高は5年後に、まだ2000万円ほど残るからです。退職金を受けて返済しても、それだけで完済は難しいはず。再就職の事情も今とは違っているかもしれません。

 それより、5年後は、お子さんの学費をそろそろ払い終える時期。教育費負担が終了したら、返済額を上げ、住宅ローン返済をスピードアップしてはいかがでしょうか。返済額アップには、金融機関の審査が必要なので、実際にどこまでできるかは分かりません。一例ですが、月5万円、ボーナス時に1回15万円ほど返済額をアップできれば、返済期間を10年くらい短縮できます。つまり、50代前半で住宅ローンが終わります。このくらいの負担増なら、お子さんの教育費負担が終わるのと相殺されるので、家計が苦しくなる心配もないでしょう。

 50代前半で住宅ローンを完済できれば、リタイアするまでに老後資金をためる時間も残せます。橋本家の基本生活費は10万円台前半で収まっているので、ローン返済終了後は年間200万〜300万円の貯蓄も可能でしょう。しかも、退職金を丸々残して老後の生活に入れるわけです。

 退職金には、課税強化の話も出ていますが、どう変わるかは確定していません。団塊世代を筆頭に、退職金を受ける方が増えている中で、何の抵抗もなく、退職金の課税強化が実施されるとは考えにくいと思われます。万が一、強化の方向性が見えてきたら、実施される前に退職を検討されてはいかがでしょうか。

 課税が強化されたら、一部を一時金でなく、年金でもらうなど、受け取り方を工夫することもできます。いずれにしても、未確定の事項に振り回されて、ご自身のライフプランを変更するより、住宅ローン返済を1年でも早く終わらせることに力を注いだ方がライフプランは安定します。退職するか、引き続き今の職場で働くかは、住宅ローンと切り離して考えられた方がよさそうですね。

(回答 ファイナンシャルプランナー 畠中雅子さん)

(2008/05/05)