

【相談】
30代で鬱病(うつびょう)を発症し、長い闘病生活の後、現在はパート収入と両親が残してくれたお金で暮らしています。今後も多くの収入は望めませんし、健康面も不安なので、将来は高齢者向けマンションの購入を考えています。ただ、それまでに今の賃貸マンションを出て、安価なマンションを買うべきか悩んでいます。
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【回答】
現在の貯蓄額は4400万円。投資信託の損失や高齢期の生活費と考えられる変額個人年金保険を除けば、「貯蓄」と呼べるのは3000万円くらいでしょうか。手元に病気や介護に備えるお金も残したいので、マンション購入に充てられるのは、2000万円までだと思います。いずれにしても、何度もマンションを買い替えるのはお勧めできません。購入しても、値下がりすると、次の住み替えが難しくなるからです。
選択肢として考えられるのは(1)一生住むつもりで、築年数が浅めの中古マンションを購入する(2)今の賃貸マンションに住み、60代で高齢者向けマンションなどに住み替える(3)高齢者向けマンション購入はあきらめて、ケアハウスやグループリビングのような高齢者施設へ入所する−など。
(1)を選べば、貯蓄は一気に減りますが、住居費負担はなくなり、生活費の赤字も減ります。貯蓄を取り崩すペースは鈍るでしょう。その後は購入したマンションで一生過ごすほか、健康面に不安が出たら高齢者施設などに入所し、今のマンションの賃貸収入をランニングコストに充てる方法も考えられます。
(2)を選択した場合、住居費負担は続きますが、貯蓄はある程度、手元に残して高齢期の住まいを模索できます。高齢者専用住宅のような賃貸住宅への住み替えも選択肢として考えられるでしょう。(3)はマンションを保有しない選択肢です。
好ましい選択肢を断定はできませんが、貯蓄をできるだけ手元に残せる(2)と(3)が安心ではないかと感じます。たとえばケアハウスなら、スタッフとかかわって暮らせますから、落ち込んだときには話し相手にもなってもらえるはず。共同生活に慣れなければ、その時点でマンション購入も考えられます。
健康面の不安は、年とともに変化することも。病気に備えるか、介護が必要かによっても、住み替えの選択肢は異なります。大きなお金を動かすなら、「健康面の不安」が具体的になってからの方が安心ではないでしょうか。
横田さんの場合、国民年金と国民年金基金をきちんと納めておいでなので、65歳以降の収入は、変額個人年金保険と合わせ、今より増えるはず。一方、これらの負担は60歳で終わるので、60歳以降の最低生活費は今より減ると思われます。収支が安定する65歳を住み替えの目安と考え、それまでは物件探しや高齢者施設の見学に時間を使われてはいかがでしょうか。
(ファイナンシャルプランナー畠中雅子)
(2008/06/23)