
【相談】
2年ほど前に大腸がんの手術を受け、今春、余命宣告を受けました。家族も知っています。家計管理は今まで、私がすべてしてきたこともあり、夫と長男の生活が心配です。今は築15年ほどの市営住宅住まいですが、家賃を考えると、古くても1000万円台前半でマンションを購入した方がよいでしょうか。夫と長男は、購入に乗り気ではありません。
◇
【解答】
闘病中でありながら、ご主人とご長男の生活を心配する田上さん。中古マンション購入で家賃負担を軽減するお考えです。ですが、私も、慌ててマンションを買うのは避けた方がよいと考えます。
主な理由は購入予算。築年数が浅いマンション購入は、予算的に難しいと思われます。一方、築年数が古いマンションは、ご主人の人生だけを考えれば、住居費が減るかもしれませんが、40代のご長男には「終(つい)の棲家(すみか)」にならない可能性が高いのでは。
古いマンションには、修繕積立金などのコストが高い物件も。こうしたコストは分譲時より上がるのが一般的ですし、時間の経過で上がる可能性もあります。大規模修繕のときに積立金では足りず、一時金を要求される可能性もあります。固定資産税の負担も発生するので、トータルでは思うほど節約につながらないかもしれません。購入で貯蓄が減るのも不安材料です。
現在お住まいの市営住宅は築年数が15年ほどで、この先10〜20年は住めるでしょう。少し発想を変え、ご長男がリタイア時に、現金一括払いでマンション購入を検討するよう、促されてはいかがでしょうか。
ご長男の収入とご主人の年金を合わせ、ご長男のおこづかいを少し減らせば、ご長男の在職中は賃貸でも生活は成り立ちそうです。手元に現金を残しておけば、病気や介護の備えにもなるはずです。
気になるのは食費などの生活費。現在は家族3人の食費を月5万円におさめていますが、自炊の頻度が減ると食費は増えてしまいそう。そこで、現在の家計と貯蓄の状況を1冊のノートに書きだし、田上家の今後のやりくり予定表を作成してみましょう。「食費月○万円、おこづかい夫○万円、長男○万円」など、使っても大丈夫な金額の目安を書き出しておくと、ご主人とご長男の家計運営に役立つはずです。
田上家には、預金と保険で計3000万円超の資産があり、すぐに貯蓄が底を突く心配もありません。ご家族の生活を心配されるのは当然ですが、田上さんご自身の体調管理はもっと大切。不安を軽減し、心穏やかに過ごすためにも、生活設計ノートの作成をおすすめします。
(2008/09/08)