患者さんからみた話が少なかったので、今回からアンケート調査に基づいて、病院や診療所に対する見方のお話ししようと思う。
皆様は、第三者認証という言葉をご存じですか? 簡単に言えば、病院や診療所は当事者ですし、患者さんも当事者ですから客観的に評価をするのが難しい。そこで、当事者ではない第三者が評価をしようというものです。
認証というのは、アンケートに答えてもらったり、実際に現地を調査したりして、一定の基準を満たしていれば、お墨付きを与える、というものです。
米国ではこういった考え方が進んでいますが、日本も捨てたものではありません。医療分野では大きく言って2つの第三者認証があります。ひとつは、財団法人「日本医療機能評価機構」が行うもの。医療機能評価機構は1997年から稼働していますが、もともとは厚生省(当時)や医療系の団体が、このような評価が必要だということで設立されました。
財団のHP(2006年8月)を抜粋すると−。
「わが国では、医療提供システムの構築過程で、まず量的な整備に力が注がれてまいりました。この点に関しましては、地域偏在等の問題を一部残しながらも一応の成果をあげてきたように思われます。
この間、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療技術の進歩等により、医療に求められるものが、高度化、多様化してまいりました。また、近年では、社会そのものの構造の変化により、国民の保健医療に対する関心や要求がますます高まっています。
このような状況下で、医療システムヘの要請においては、量的に整備すること以上に質的に保証することが強調されるようになり、国民に対して医療提供状況に関する正しい情報を提供していくことと、良質な医療提供を推進し確保していくことが、重要な課題となりました。
本財団は、医療機関の第三者評価を行い、医療機関が質の高い医療サービスを提供していくための支援を行うことを目的としています」
この機構は診療所は評価の対象にせず、病院のみを対象にするが、この認定は現在、2000病院を越えている。
マーク(http://jcqhc.or.jp/html/logo.htm)があるので認定病院は見分けられるようになっている。皆さまの周りにも、きっと評価を受けた病院があると思われる。(医学博士 真野俊樹)
(2006/08/31)