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医師は勉強が嫌いか?(1) 

 ■免許更新制など検討

 前回まで3回、第三者認証の話をした。医療はサービスであり、「人」を対象にしている。だから、第三者評価では腕の評価が難しく、患者さんの立場では、口コミや雑誌、ネットなどの情報を総合的に判断するしかない、と述べた。

 しかし、第三者による認証のいい点は、サービスを提供する医療機関にある能力や技能をチェックできることだ。能力や技能がある人に医療を提供してもらえば、いい医療になるという考え方である。

 細かなことを言えば、これだけでは十分ではない。つまり、いくら能力や技能がある人でも、その力を発揮できる環境になければ意味がないからである。これは、職場の環境を良くしてその力を発揮してもらうことにつながる。これは、今回の話の後に書きたい。

 しかし、能力や技能がない人はいくら環境が良くても、いい医療を提供することはできない。これは、読者の皆さんが手術をしてもうまくいかないのと同じである。

 さて、その医師の能力や技能は、どう保証されているのであろうか? 

 基本は医師国家試験である。医師になるには、6年間の医学部における勉学を終えた後、国家試験に合格して初めて医師となる。薬剤師や看護師など、多くの医療従事者は同様の資格保持者だ。

 古き良き時代は、それだけでよかった。しかし、医師にとっては皮肉なことに、医療の技術向上に伴って学部の6年間だけでは足りないのではないかという意見が出てきた。そこで、平成16年から医学部の卒後2年間、医師の研修が義務化された。この間を一人前の医師になるための「修業期間」と位置づけたのである。

 もちろん、それまでにも研修制度はあった。今回の改正はそれを厳しくしたものと考えた方がいい。細かな点では相違があるが、昔はインターン制というものがあった。一人前の医師と認められない修業期間であるという点では、この制度に近いといえる。

 しかし、それだけでは技能を担保するには足りないとされるため、現在、議論に上っているのが、医師免許の更新制と、専門医制度の充実なのである。(医学博士 真野俊樹)

(2006/09/21)

 
 
 
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