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有料老人ホームの探し方(上)

 ■まずは自治体に問い合わせを 紹介業者もうまく利用して

 今年4月の改正老人福祉法施行で入居者保護が図られるなど、終(つい)の住み家として期待が高まる有料老人ホーム。7月17〜19日付「有料老人ホームの値段」で4カ所を紹介したところ、「地元で探したいが、調べる方法が分からない」という読者の声が多数寄せられました。そこで今回はホーム探しの入門編をお届けします。(寺田理恵)

 東京都に住む江藤秀夫さん(64)=仮名=は94歳の父親を在宅介護するかたわら、介護サービスが受けられる有料老人ホームを探している。

 「特別養護老人ホームは待機者が多いと聞いているので、在宅介護が難しい状態になった場合に備えて、有料老人ホームを探しています。それに子供が親の介護を担うのは、私の代で終わりにしたい。私自身の備えも兼ねてのことです」と話す。

 自宅近くにある有料老人ホーム2カ所はいずれも満室。市の広報紙で今年4月から市町村が介護保険を使える施設を指定できるようになったと知り、市に問い合わせた。しかし具体的な動きがなく、新しくホームができる予定はないとのことだった。

 情報収集先は自治体や民間の紹介業者など。「広告ではすばらしい印象を受けるホームでも、そこに入居していた父の友人によれば、問題が多く、管理者に改善を申し入れても実現されないと不平不満を語っていました」と、口コミ情報も判断材料として重視する。

 まだ切羽詰まってはいないので、業界団体や紹介業者主催のセミナーに参加したり、インターネットで調べたりして、じっくりと情報を集めている。

                    ◇

 厚生労働省の「社会福祉施設等調査」によると、有料老人ホームの施設数は、介護保険が始まった平成12年の350施設から16年の1045施設に急増。「終の住み家」の選択肢の一つとなっている。ガイドブックや広告などの情報が増える中、江藤さんのように複数のルートから情報を集める人がいる一方、「調べる方法が分からない」と、戸惑う人も多い。

 まず手がかりとなるのは、自治体の情報だ。有料老人ホームについては、都道府県が設備や運営などの指導指針を設けており、開設するには都道府県知事へ届け出なければならない。届け出を行ったホームであれば、都道府県が所在を把握している。

 例えば270カ所のホームがある神奈川県では、一覧表を冊子にまとめているほか、県内各地にある「県政情報コーナー」やインターネットのホームページでも情報を提供している。ホームページでは、各ホームがサービス内容や料金を明示するために作成する「重要事項説明書」も閲覧できる。

 「県として個別のホームを紹介することはできないが、重要事項説明書を比較すれば各ホームの違いが見えてくる」(高齢福祉課)ためで、説明書の内容を十分理解した上で契約するよう、注意を呼びかけている。

 というのも、料金の仕組みやサービス内容などがホームによって異なり、よく分からないまま契約すると、入居後の不満につながりかねないからだ。

 有料老人ホームの増加にともない、県に寄せられるホームへの苦情も一昨年ごろから増え、平成17年度は100件にのぼった。「ヘルパーの数が少ない」「当初の説明以上に介護費用がかかる」「退去時に入居一時金を返還してくれない」など、介護サービスやお金に関する苦情は多い。

 しかし、高齢福祉課では「ほとんどの人が、ホームの一覧表だけを求める。重要事項説明書を必ず読むように勧めてはいるのですが…」と明かす。

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 情報収集のもう一つの方法は、民間の紹介業者や業界団体の利用だ。ホームを紹介するビジネスが活発化し、無料で入居相談を行う業者も多い。インターネットの紹介サイトでも、全国のホームの概要が分かるようになった。

 しかし紹介業者の中にはホーム側から紹介料や広告料に相当する代金を受け取っている所もある。特定のホームを勧めるケースも聞かれるので、利害関係を念頭に置いた上で活用したい。

 ホームのリストを入手して、パンフレットなどの資料を集めたら、数多くのホームの中から条件に合う所を選び出す。次回は、数多くのホームの中から、候補を絞り込んでいく方法を検討する。

(2006/09/04)

 
 
 
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