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女優・大空眞弓さん(下)

 ■時間がもったいない 早く検診で見つけて がんをやっつけよう

 女優の大空眞弓さん(65)には乳がんの発見・治療後も、別のがんが現れてきました。この多重がんにひとつひとつ向き合い、克服していかざるをえませんでしたが、大空さんは「もぐらたたきのように撃退してきました」と話します。おどけた言葉の内側に強さを秘め、今年も舞台に挑みます。(聞き手 柳原一哉)

 乳がんが一段落した平成13年、次は胃がんが見つかりました。私は子供のころから病気慣れしていて病院が大好き。がん検診は定期的に受けていました。その検診で、早期の胃がんを見つけたのです。

 この胃がんは原発性でした。乳がんからの転移ではなく、新たに胃にできたという意味です。早期だったので、開腹手術よりも負担の少ない内視鏡手術で切除することができました。

 しかし、その翌年の14年にまた新しいがんが胃にできました。前回の胃がんの取り残しではなかったそうです。幸い、これも早期がんだったので内視鏡で切除しました。

 そのさらに翌年の15年、今度は食道がんが見つかりました。ちょっと難しかったようですが、内視鏡で切除する手術を受けました。

 次々に見つかるがんを前に、さぞ気持ちが沈んだろうと思われるかもしれません。しかし、ガクンときたことはありません。両親と姉のがん闘病を見てきたこともありますが、ガクンとしていたら時間がもったいないじゃない?

 がんがきたら撃退する。24時間ずっと撃退すると疲れるから、がんがきたらそのときはもぐらたたきのようにして、撃退しようという気持ちを持っているのです。

 仕事の合間にタイミングよく治療できたこともありますが、がんといっても、舞台など仕事を降板したことはこれまで一度もありません。

                  ■□■

 実は、最初のがんである乳がんになったとき、周囲にはがんのことを知らせませんでした。共演者の古谷一行さんと沢口靖子さんがもし知ってしまったら、演技に支障が出るのでは、と心配して伝えなかったのです。

 ただ、公演が終わってがんのことを知らせないのは水臭いし、隠すつもりもなかった。だれにお話しして、だれにお話ししなかったかも分からなくなっていました。

 そんなとき、テレビ番組の「徹子の部屋」への出演の話があり、相談したら、そこで公にしようということになり、お話ししたのです。

 周りに言わないと自分の気持ちが重くなる? そういうことではなくてね。

 その後、もう一度「徹子の部屋」でがんのことをお話ししました。「がんなんて何さ」っていう気持ちで、共著の「大空真弓、『多重がん』撃退中!」(宝島社)で闘病の様子なども書いています。

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 大好きな蒸し卵を食べるのが健康法かな。卵はゆでるより蒸すほうが黄身が真ん中になっておいしいんですよ。蒸し時間6分で、いい半熟になります。毎朝、自分で2個作り、ウコン塩で食べています。

 卵は、虚弱体質だった子供のころ、栄養補給になるようにと、母が卵料理を多く出してくれていました。母がつくるタマゴサンドが大好きでしてね。そんな理由で今でも卵が大好物なんです。

 ところで、私は自分自身の葬儀のことを真剣に考えています。がんになったからではありません。知人の生前葬をみて自分の好みを葬儀に入れられたらいいと思ったからです。

 クリスチャンなので、葬儀は教会で行い、参列者が献花をするのが基本。私は花の代わりに卵を献じてもらうことを計画しています。

 それより、今年も仕事のスケジュールがめじろ押しです。有吉佐和子原作の「三婆」は3月1日から名古屋で、4月17日からは東京公演で、舞台げいこに力を入れているところです。夏には島田洋七原作の「佐賀のがばいばあちゃん」の舞台も予定しているんですよ。

 こうした舞台を乗り切るためにも、半年に1回、検診を受けています。体を点検しながら仕事を続けていきたいと思います。

 そのパワーはどこから出てくるのか? 例えば「三婆」だと、いずれは演じてみたいと夢見ている役者が多い作品なんです。だから、(私に役がある限り)舞台に出なければいけないと思うんですね。

 皆さんに一番、言いたいのは、検診の大切さです。今や日本人は3人に1人ががんで亡くなっています。できれば早く検診で見つけて、がんをやっつけちゃってください。

(2007/02/23)

 

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