□休暇の取得日、事前に決められる?
【出題】
社員の有給休暇の消化率が低い3社の社長が、各社員の有給休暇の取得日を、年間計画であらかじめ決めてしまおうと相談しています。正しいのは誰でしょうか。
白田社長 有給休暇は社員が休みたい日を自由に決めるものだから、会社が事前に決められないよ。
新川社長 社員と協定を結んで、自由に使える有給休暇を最低5日間残しておけば、事前に決められるんだよ。
藤網社長 取得日は事前に決められるけど、社員が日を変更したい場合は、認めなければいけないよ。
【解説】
年次有給休暇は、労働者の心身の疲労回復とゆとりある生活の実現のため、休日のほかに、毎年一定の日数を与えるものです。本来、労働者が自由に取得すべきですが、職場によってはなかなか休みにくい場合もあります。そこで、気がねなく取得できるよう、また、休暇取得を促す意味で、会社があらかじめ有給休暇取得日を決めることができます。この制度を「有給休暇の計画的付与」といいます。
そのためには、会社は労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する人と労使協定を結び、労働者が自由に取得できる有給休暇を最低5日間確保することが必要です。労使協定で計画的に付与した有給休暇は、労働者が自己都合で変更することはできません。ですから、労働者が病気や個人的な事情で休めるよう、最低5日間の有給休暇を確保するよう義務付けているわけです。
計画的付与を、全社休業という形で行う場合、新入社員など、有給休暇の保有日数が少ない労働者の取り扱いが問題となります。これらの労働者には、特別の休暇を与えるか、少なくとも休業手当を支払う必要があります。未消化の有給休暇は翌年度まで繰り越せるので、これを含めて5日間を確保してもよいことになっています。
厚生労働省の19年の「就労条件総合調査」によると、有給休暇の取得率は46・6%。有給休暇の取得を促し、社員の満足度を上げるためにも、計画的付与の導入は一考の価値があります。
【解答】
正解は新川社長です。条件を満たせば計画的付与が可能ですので白田社長は誤り。また、計画的に付与された有給休暇は会社や労働者の都合で変更できませんので、藤網社長も間違いです。
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この欄は社会保険の制度に詳しい専門家が執筆。http://www.psrn.jp/nenkin/で出題の補足説明をしています。監修は「社会保険博士」北村庄吾、今回の担当は社会保険労務士、森川康治(奈良)です。
(2008/05/27)