■基本知識を紹介
本書のねらいは明快。老後の生活に「月40万円」かかるとして、年間480万円が必要だが、現行の年金制度では夫婦で280万円程度しか期待できず、受給額は今後、200万円くらいまで下がってしまう。「さあどうする」というわけだ。
不足する金額を何とか自己調達し、老後の生活を安定させるため、「資産の少ない人こそ、準備を急ぐべきだ。30代から考えるのが理想」と、著者は主張する。
株や投資信託、不動産投資や、生命保険の基本的知識を紹介。退職後の年金にかかわる節税対策や海外移住、生前贈与など、「老後の生活設計」に関するありとあらゆる分野にどう向き合うべきかを紹介している。
ただし、個々の分野について、詳細な説明はないため、あくまでも「入門編」と考えて読みたい。
文芸社、矢澤健著。1143円(税別)。
(2006/11/14)