産経新聞社

ゆうゆうLife

編集部から 残業はどこでする?  

 4歳と1歳半の2人の子供を育てながら、午後5時半までの限られた時間で仕事をしている。いつか銀座辺りでゆったりランチを、と夢見るのだが、雑事に追われ、パソコンに向かいながら弁当を5分で詰め込むのが精いっぱいだ。

 どんなに時間を効率的に使おうと思っても、昼間の時間の多くは取材に割かれる。だから、原稿書きは子供を寝かしつけた後の深夜からになる。

 「昨日なんて、午前2時ですよ。家でやると、残業代も出ないし、目の下のクマもとれなくなっちゃって…」。世間話のついでに、こんな話を厚生労働省の労働基準局でしたら、お役人に「残業は持ち帰らないで会社でやって、ちゃんと残業代をもらってください」とアドバイスされた。

 え? 数年前、子育てを支援する同省の雇用均等・児童家庭局を取材したときは、担当者から「子育てに無理が出ないよう、決めた時間にしっかり帰ってください」と言われたんですけど。同じ役所なのに、こんなに言うことが違うなんて…。

 だけど、労働基準局は、労働基準法に則して、企業を指導する“警察役”だから、残業代をもらうよう勧めるのは当然なのかも。厚生省と労働省が一緒になってできた厚生労働省だから、少々の縦割りはしようがないとはいえ…。正反対のアドバイスは、いずれもあまり現実的な解決策ではないと頭を抱えたママ記者なのであった。(清水麻子)

(2008/04/11)