産経新聞社

ゆうゆうLife

編集部から 女医さんが受ける“いじめ”

 女医さんの取材をして、いじめのような発言が横行していると知り、少々あきれ気味だ。

 ある女医さんは妊娠を報告したら、上司の男性医師から「産休なんてない。給料ドロボーはさっさとやめろ」と罵詈(ばり)雑言を投げつけられたという。

 妊娠した研修医は、上司から「仕事をナメている」といわれ、研修を取り消されそうになった。抗議したら撤回されたが、上司は希望する科の、自身が子育て経験もある女医だったので、研修医は「人間不信になりました」という。

 ある名だたる大学医局では、女性医師は10年たったら肩たたきにあい、転科させられるという。最近、人事異動を拒んだ女医さんは夜な夜な嫌がらせの電話を受け、「『いうことを聞かなければ、県内で働けなくしてやる』と言われました」という。

 つきあっていた男性医師から「結婚するなら、楽な科にうつってくれ」といわれた外科の女医さんもいた。

 患者の暴言もある。外科の女医さんは「女医なんてあてにならん。男の医者にかえてくれ」といわれた。「外科イコール男」という先入観があるためか、日常茶飯事らしい。

 ある女医さんは「育児支援もいいけれど、グチを言う場所がほしいのよね」。かくして、取材の場は即席のカウンセリングルームと化したのであった。(北村理)

(2008/05/09)