「子供が2人ともすごい熱なの」
今週掲載の「年金質問箱」を執筆中だった先週半ば、携帯電話から妻の緊迫した声が飛び込んできた。どうやらインフルエンザにかかったらしい。
次男は生後8カ月。妻も倒れると、私が家のことをやるしかない。記事をその日で完成させ、パソコンをかかえて帰宅した。判断は正しかった。翌日に妻がダウン、週末には私も倒れ、出社できなくなった。
初めてのインフルエンザだったが、こんなにつらいとは。40度前後の高熱で体が重く。横になればなったで、頭痛がかえってひどくなる。初日の夜は、体はつらいのにまんじりともできず、朝を迎えた。
追い打ちをかけるように、上司からは原稿の問い合わせが…。自宅のファクスから、紙面の仮刷りが次々とはき出されるのを、暗い気持ちで見つめた。
実は上司も、私より前にインフルエンザにかかったが、予防接種のおかげか、熱は37度止まりだったという。対する私は、「かからなければ費用と手間が損」と予防接種を軽視し、症状を重くした。予防接種は“備え”であって、損得ではないのに。
ふと考えれば、損得よりも将来の備えが本質という点では、年金も予防接種と似ている。年金の記事ではあれこれ書きながら、自分への備えが未熟だった言行不一致を、すっきりした頭で反省した。(佐久間修志)
(2009/02/20)