産経新聞社

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小規模多機能の継続困難 研究シンポ、6事業所が現状報告

 近隣の高齢者がデイサービスに通ったり、泊まったりできる「小規模多機能型」の研究報告シンポジウム「小規模多機能の今とこれから」(NPO「暮らしネット・えん」主催)が都内で開かれ、全国6事業所が意見交換を行った。

 介護保険の小規模多機能型は、中重度になっても住み慣れた自宅で暮らせるよう、24時間365日のサービスとして3年前に始まった。しかし、独居や老老介護の利用者の場合、在宅介護の継続が難しい現状が報告された。

 各事業所が持ち寄った1年分のサービス実績の分析から、こうした利用者を支えるには、要介護度相当のケア以上に手厚く対応せざるを得ない実態が判明。各事業所から「要介護2の人でも3くらいのサービスを使う」「時間の延長が多い」「長期の泊まり利用がある」などの声が聞かれた。

 さらに、「老老介護の利用者の場合、介護者が緊急入院すると、利用者が介護老人保健施設や認知症高齢者グループホームに入居してしまい、在宅が続けられない」「介護力のある家族と同居していないと難しい」など、小規模多機能型の利用継続が困難な現実が浮かび上がった。

(2009/04/08)