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念願のラブストーリー チョン・ウソン会見
8月9日(火) by 久保亮子
10月に公開予定の韓国映画「私の頭の中の消しゴム」の宣伝のため、主演のチョン・ウソンとイ・ジェハン監督が来日、9日、東京都内のホテルで記者会見した。


ウソンはデビュー期の2作品があるだけでテレビドラマには一切出演せず、完全な映画俳優として知られている。その分、日本での知名度は、ほかの韓流スターに比べて低いが、それでも羽田空港に到着した8日は、夜にも関わらず約400人のファンが出迎えるなどファンの熱狂はすでに沸点に達している。

ジーンズの上に白いシャツを出し、その上にジャケットを羽織ったウソン。映画と違って髪を短くして精かんなイメージだが、あくまで静かな雰囲気を身にまとう。

「私の頭の中の消しゴム」では、若年性アルツハイマー病に冒され、次第に記憶を失っていく新妻、スジン(ソン・イェジン)を懸命に支える夫、チョルスを熱演している。2人は街角のコンビニエンスストアで出会う。スジンは早とちりから、チョルスが買った缶コーラを奪い、飲み干してしまう。この場面は、物語を通して、折々に思い出される重要なシーンになる。

「2人とも大きなゲップをしますが、僕は男性ですから、そう難しくなかったですが、イェジンは大変そうでした。あの場面、私だけでも缶を8本は開けたんですよ」と明かす。

映画「MUSA −武士−」の宣伝以来2年ぶりの来日。通算は5度目を数える。これまでの出演映画は男同士の友情を軸にした作品ばかりだったが、実はラブストーリーを演じたくてしかたがなかったのだという。


「のどの渇きを覚えるような感じだったところに、今回の出演依頼があったのです」と、満を持しての出演だった。

「前回の来日時、『次回作はメロドラマですよ』と伝えたら日本のみなさんは、とても喜ばれました。その理由が分かりました。(日本の皆さんは)ラブストーリーが好きなのですね」と、日本での公開を喜んでもいる。

記憶が失われていくという内容にちなみ、消したい記憶はあるかと問われると、「消したい記憶はありません。過去、つまり記憶や思い出があって今の私があるわけですから。記憶とはローソクを積み上げるようなもの。炎を吹き消せばすべてが失われてしまいます。最後まで残したい思い出はやはり、愛です。愛というのは自分だけでなく相手と共有できる思い出ですから、愛する人にも(私の記憶を)残してほしいし、私自身もたくさん持っていたいですね」

「尊重」を座右の銘とするというが、なるほど思いやりにあふれる答えだ。

お気に入りの場面とはという質問にウソンは「最後の場面。一般的な韓国映画は涙を要求するような作品が多いですが、この映画は悲劇的な状況にありながら、希望のなかに旅立つ若い男女の夢を感じさせるからです」

原作は、13年に放送された日本のドラマ「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」。脚本も書いたジョハン監督は「ドラマを見て純粋、記憶、魂を描きたいと思いました」。ウソンは、そのシナリオに感動し、出演を即決したという。そのドラマで“日本のスジン役”を務めた女優、永作博美がお祝いに駆けつけ、花束を渡した。






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